#免疫
9本の記事
- 🛡️ 短鎖脂肪酸が免疫を統御する — Kim 2021
Cell Mol Immunol 2021の総説。腸内細菌が食物繊維を発酵して作る酢酸・プロピオン酸・酪酸が、HDAC阻害とGPRシグナルの二経路でTregを含むリンパ球を文脈依存的に制御する仕組みを俯瞰する。
- 🧬 腸内細菌の分子が炎症を抑える — PSA 2008
Nature 2008。Bacteroides fragilis が作る多糖A(PSA)が、IL-10産生T細胞を介して腸の炎症を抑えることを示した論文。単一の細菌分子が宿主の免疫バランスを調律しうることを実証した、共生免疫学の金字塔を有機農家の視点で読む。
- 🦠 抗炎症菌F. prausnitzii — Sokol 2008
PNAS 2008。クローン病患者の腸内細菌解析から、主要な酪酸産生菌 Faecalibacterium prausnitzii が抗炎症作用を持つことを示した古典的論文。分泌代謝物がNF-κBを抑え、マウス大腸炎を和らげた経緯を科学的根拠ベースで解説する。
- 📄 論文紹介: Ghosh et al. 2020 — 1年の地中海食介入で高齢者の『虚弱』と腸内細菌が同時に改善(NU-AGE 試験)
Gut 2020。欧州5ヶ国612人の65歳以上を対象にした NU-AGE 試験。1年間の地中海食介入で、虚弱(フレイル)・認知機能の改善と、炎症マーカー(CRP・IL-17)の低下に一致する腸内細菌の変化が確認された。虚弱関連菌はネットワーク周縁、食事で増える菌はキーストーン位置を占めた。免疫老化と腸内細菌をつなぐ大規模介入研究。
- 📄 論文紹介: Miyamoto et al. 2024 — 腸内細菌由来の胆汁酸ポストバイオが肝臓を守る
Nature 2024。肝臓の門脈周囲に住む免疫抑制型マクロファージ(Marco+)は、腸内細菌 Odoribacteraceae が作る二次胆汁酸(イソアロリトコール酸)で誘導される。このシステムが壊れると PSC や NASH のような肝炎症性疾患が悪化する。腸菌代謝物が肝免疫を制御する『ポストバイオティクス』の鮮やかな事例。
- 📄 論文紹介: Rana et al. 2022 — ポリフェノールの健康便益は『腸内細菌との双方向対話』で説明される
Journal of Food Biochemistry 2022 レビュー。フラボノイド・リグナン・スチルベン・フェノール酸の4大ポリフェノール群を、抗酸化・抗炎症・心血管保護・糖代謝・免疫制御の観点で整理。効果の鍵は腸内細菌との双方向関係:ポリフェノールが細菌を整え、細菌がポリフェノールを活性代謝物に変える。免疫制御と腸内細菌の接点を食事成分から読む入門レビュー。
- 📄 論文紹介: Wastyk et al. 2021 — 発酵食品食は菌多様性を上げ炎症を下げる
Cell 2021。スタンフォードのランダム化比較試験。健常成人を高繊維食群と高発酵食品食群に分け17週間介入。発酵食品群では腸内細菌の多様性が有意に上昇し、炎症マーカーが低下した。『発酵食品をしっかり食べる』ことの実証的な根拠を示した決定的論文。
- 📄 17株のクロストリジウム属菌が免疫寛容を作る — 本田賢也ら 2013
Nature 2013。ヒト腸内細菌から17株のクロストリジウム属を選抜しマウスに定着させると、制御性T細胞(Treg)が誘導され大腸炎が軽減。日本発の画期的研究。腸内細菌と免疫制御の決定的証拠を示した論文を、有機農家の視点で読む。
- 📄 酪酸が腸のTregを分化させる — 古澤・大野ら 2013
Nature 2013。日本発の金字塔。腸内細菌が食物繊維を発酵して作る短鎖脂肪酸『酪酸』が、ヒストン脱アセチル化阻害を介して制御性T細胞(Treg)の分化を誘導する分子機構を明らかにした論文。