#書評
27本の記事
- 🕒 論文紹介: 体内時計と腸内細菌が食事に同期する
Cell Metabolism 2021 レビュー。宿主の体内時計と腸内細菌叢はどちらも日周リズムを持ち、食事の内容とタイミングを介して同期する。クロノニュートリション(時間栄養学)の生物学的基盤を整理した一本。
- 📄 論文紹介: Aravind et al. 2021 — ポリフェノールは腸内細菌と相互作用する
Food Research International 2021。食事由来ポリフェノールが腸内細菌叢・代謝物・宿主健康に及ぼす影響を総説。プレバイオティクス的な側面と、腸内細菌による代謝変換の双方向を整理した。
- 📄 論文紹介: Brial et al. 2018 — 心血管・代謝疾患をポストバイオで読み解く
Cellular and Molecular Life Sciences 2018。腸内細菌が作る代謝物(SCFA、TMAO、二次胆汁酸、インドール誘導体など)が、心血管疾患・2型糖尿病・肥満とどう関わるかを整理した総説。『ポストバイオティクス』という概念を臨床的な文脈で扱った初期の重要レビュー。
- 📄 論文紹介: Di Giosia et al. 2022 — 栄養と『炎症加齢(inflammaging)』
Ageing Research Reviews 2022。加齢に伴う慢性低グレード炎症『inflammaging』の機序、栄養パターン(地中海食・カロリー制限・断食・ポリフェノール)による介入可能性を俯瞰したレビュー。
- 📄 論文紹介: Escudero-Bautista et al. 2024 — 腸内細菌と加齢・フレイルのレビュー
Geriatrics 2024。加齢に伴う腸内細菌の変化、フレイル・サルコペニア・認知機能低下との関連、介入可能性(食事・プロバイオティクス・運動)を整理した高齢者領域のレビュー。
- 📄 論文紹介: Faggiani et al. 2025 — IBD における食事の役割・包括レビュー
Best Pract Res Clin Gastroenterol 2025。クローン病・潰瘍性大腸炎における食事因子の病因関与、活動期の食事管理、寛解維持のための食事戦略を網羅的に整理したレビュー。
- 📄 論文紹介: Leeuwendaal et al. 2022 — 発酵食品・健康・腸内細菌叢の総整理
Nutrients 2022。発酵食品が腸内細菌叢とどう相互作用するかを、発酵タイプ別・食品マトリクス別・生菌と非生菌成分別に整理した総説。『発酵食品は人類の食の1万年の伝統』という視点から、現代のメタゲノム研究までをつなげた一本。
- 📄 論文紹介: Leonard et al. 2021 — ヒドロキシケイ皮酸と腸内細菌の相互作用
Compr Rev Food Sci Food Saf 2021 レビュー。コーヒー・全粒・果実に多いヒドロキシケイ皮酸類(クロロゲン酸・フェルラ酸・カフェ酸等)が腸内細菌によって代謝され、逆に腸内細菌組成を修飾する双方向作用をまとめた。
- 📄 論文紹介: Li et al. 2022 — 発酵食品と心代謝健康の整理
Frontiers in Nutrition 2022。発酵食品の定義の整理に始まり、心血管疾患・2型糖尿病・メタボリックシンドロームとの関連を、疫学研究とメカニズムの両面からレビュー。『発酵食品は心代謝に良いか』の現時点の答えを、欧州研究者視点で整理。
- 📄 論文紹介: Longo et al. 2023 — 迷走神経が腸内細菌と肥満・糖尿病をつなぐ
Acta Diabetologica 2023 レビュー。肥満と2型糖尿病が合併した『ダイアベシティ』の病態を、微生物-腸-脳軸(MGBA)の視点から整理。迷走神経と GLP-1 が食欲制御の鍵で、腸内細菌が神経系・内分泌系・免疫系を介して食行動と代謝をコントロールする経路を包括的に解説。
- 📄 論文紹介: Luca et al. 2020 — ポリフェノールの『低バイオアベイラビリティ × 高バイオアクティビティ』パラドックス
Crit Rev Food Sci Nutr 2020。レスベラトロール・クルクミン・ケルセチン・ゲニステイン・エラグ酸等の主要ポリフェノールの薬物動態と、微生物由来代謝物(ユロリチン・エクオール等)の生物活性を整理した総説。
- 📄 論文紹介: Makarewicz et al. 2021 — ポリフェノールと腸内細菌の双方向相互作用
Antioxidants 2021 レビュー。ポリフェノールが腸内細菌をどう変えるか、腸内細菌がポリフェノールをどう変えるか、その双方向性を整理した総説。『ポリフェノールは効く』の前に、『菌が代謝して初めて効く』という視点を提供する一本。
- 📄 論文紹介: Nagpal et al. 2019 — 腸内細菌 × 地中海食と宿主健康
F1000Research 2019。地中海食と腸内細菌の相互作用が心血管疾患・大腸がん・神経変性疾患のリスク低下にどう関わるかを、最新の機構研究と疫学から整理したレビュー。
- 📄 論文紹介: Pluta et al. 2020 — クルクミンの『バイオアベイラビリティのパラドックス』と腸-脳軸
International Journal of Molecular Sciences 2020 レビュー。ウコンのクルクミンは吸収率が極めて低いのに、神経保護・抗炎症など広範な効果が報告される矛盾を、腸内細菌による代謝物生成と腸-脳軸の観点から整理。クルクミンが腸内細菌を整え、腸内細菌がクルクミンから活性代謝物を作る、という双方向の相互作用を提示。
- 📄 論文紹介: Portincasa et al. 2022 — SCFAとグルコース代謝
International Journal of Molecular Sciences 2022。腸内細菌が食物繊維を発酵して作る短鎖脂肪酸(SCFA)と、インスリン抵抗性・肥満・2型糖尿病との関連を整理した総説。食事→微生物→代謝の鎖をLoam視点で読む。
- 📄 論文紹介: Rana et al. 2022 — ポリフェノールの健康便益は『腸内細菌との双方向対話』で説明される
Journal of Food Biochemistry 2022 レビュー。フラボノイド・リグナン・スチルベン・フェノール酸の4大ポリフェノール群を、抗酸化・抗炎症・心血管保護・糖代謝・免疫制御の観点で整理。効果の鍵は腸内細菌との双方向関係:ポリフェノールが細菌を整え、細菌がポリフェノールを活性代謝物に変える。免疫制御と腸内細菌の接点を食事成分から読む入門レビュー。
- 📄 論文紹介: Reznikov & Suskind 2023 — IBD の栄養療法を俯瞰する
Nutrients 2023 レビュー。炎症性腸疾患(IBD)における現在の栄養療法(EEN・CDED・SCD・地中海食・IBD-AID 等)を比較し、寛解維持と長期持続可能性の観点から整理したレビュー。
- 📄 キヌレニンと腸内細菌 — トリプトファン代謝が脳・気分に与える影響(Ribeiro 2022 解説)
腸内細菌は食事から摂ったトリプトファンを、気分を整えるセロトニン経路と神経炎症に関わるキヌレニン経路へ振り分ける。Ribeiro 2022 総説をもとに、腸-脳軸でこの代謝バランスがどう調節され、地中海食や発酵食品がうつ症状・免疫機能にどう寄与しうるかを臨床栄養の視点で解説。
- 📄 論文紹介: Rodríguez-Daza et al. 2021 — ポリフェノールは『duplibiotic』として腸を整える
Frontiers in Nutrition 2021。ポリフェノールが腸内細菌に対して抗菌作用とプレバイオティクス作用を同時に持つことを提案。著者らは『duplibiotic』という新しい用語でこの二重機能を定義した。
- 📄 論文紹介: Ross et al. 2024 — 食事と腸内細菌の相互作用・包括レビュー
Nat Rev Microbiol 2024。地理・食文化・食事パターン(地中海食、高繊維、植物性、高タンパク、ケトジェニック、西洋食)が腸内細菌の組成・機能・多様性をどう動かすかを総説。
- 📄 論文紹介: Selma et al. 2009 — フェノール化合物と腸内細菌の双方向相互作用
J Agric Food Chem 2009。食品フェノール化合物が腸内細菌によって代謝される経路(脱グリコシル化・脱メチル化・脱ヒドロキシ化)と、逆にフェノールが腸内細菌組成を選択的に修飾する双方向相互作用を整理した古典的レビュー。
- 📄 論文紹介: Silva et al. 2020 — 短鎖脂肪酸が腸と脳をつなぐ
Frontiers in Endocrinology 2020。腸内細菌が食物繊維を発酵して作る短鎖脂肪酸(SCFA)が、神経・免疫・内分泌の多経路を介して脳と双方向に通信するという総説。Loam読者向けに要点を整理する。
- 📄 論文紹介: Torres-Fuentes et al. 2025 — ポリフェノール × 腸内細菌 × 体内時計が脳を守る
Critical Reviews in Food Science and Nutrition 2025 レビュー(共著者に Cryan)。ポリフェノールは吸収率が低くても腸内細菌が代謝して神経保護物質を作る。さらに腸内細菌には日周リズムがあり、ポリフェノール代謝にも時間依存性がある。食事タイミング・腸内細菌・ポリフェノール・脳の4者関係を統合した最新レビュー。
- 📄 論文紹介: Tosti et al. 2018 — 地中海食の代謝・分子機序
J Gerontol A 2018。地中海食が心血管疾患・2型糖尿病・がん・不整脈の予防に寄与する代謝・分子機序を、脂質改善・抗酸化・炎症抑制・栄養感知経路・腸内細菌の5つの軸で整理したレビュー。
- 📄 論文紹介: Vaiserman et al. 2017 — 腸内細菌は『老化する』、そして介入可能な標的である
Ageing Research Reviews 2017。加齢にともない腸内細菌の多様性は低下し、免疫老化・慢性炎症(inflammaging)と絡み合って老化を進めることが示唆されている。プロバイオティクス・プレバイオティクス・糞便移植で、この流れに介入できる可能性を整理した総説。
- 📄 論文紹介: Wong & Yu 2019 — 大腸がんにおける腸内細菌の作用機序
Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2019。大腸がんの発症・進展において腸内細菌が関与する機序を『ドライバー菌』『パッセンジャー菌』仮説で整理し、臨床応用への道筋を示したレビュー。
- 📄 論文紹介: Wong & Yu 2023 — 大腸がんの発症・進展・治療における腸内細菌
Nat Rev Clin Oncol 2023。大腸がん(CRC)の発症・進展・治療応答における腸内細菌の役割を、発がん機序・バイオマーカー・治療抵抗性・免疫療法応答の観点から総説。