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82本の記事
- 🌾トリプトファンを腸内細菌が作り変える — 3つの経路(Agus 2018)
食事由来の必須アミノ酸トリプトファンは、①宿主のキヌレニン経路②宿主のセロトニン経路③腸内細菌によるインドール類への直接変換、の3経路で代謝される。腸内細菌はこの全体に関わり、特にインドール類はAhR…
2026年6月6日 - 🦠アッカーマンシア — 腸の粘液層に棲む次世代の善玉菌(2025総説)
Akkermansia muciniphilaは腸の粘液(ムチン)層に棲み、ムチンを分解しながら他の菌に栄養を渡す(クロスフィーディング)特異な細菌。腸バリアや代謝の健康と関連づけられ、加熱処理した形…
2026年6月6日 - 🧬腸内細菌叢は3つの型に分かれる — Arumugam 2011
Arumugam ら(MetaHIT コンソーシアム)は複数国のヒト糞便メタゲノムを解析し、腸内細菌叢が Bacteroides 優位・Prevotella 優位・Ruminococcus 優位という…
2026年6月6日 - 🦠発酵食品は小さな生態系 — 微生物の遷移と協働(Auchtung 2025)
発酵食品は、菌が遷移・競争・協働しながら群集を作る『小さな生態系』。Auchtung 2025の総説(Nature Reviews Microbiology)は、塩分・pH・酸素・温度といった環境が群…
2026年6月6日 - 🐭無菌マウスが解いた腸内細菌と脂肪の関係
腸内細菌をまったく持たない無菌マウスは、通常のマウスより体脂肪が約4割少ないことが2004年のPNAS論文で示された。その無菌マウスに腸内細菌を移植すると、2週間で体脂肪が約6割増えた。腸内細菌は単な…
2026年6月6日 - 🌸腸内細菌がエストロゲンを巡らせる — エストロボローム(Baker 2017)
腸内細菌はβ-グルクロニダーゼという酵素でエストロゲンを脱抱合し、再び体内に吸収させる(腸肝循環)。この代謝を担う腸内細菌の遺伝子群を「エストロボローム」と呼ぶ。菌叢の乱れはエストロゲンの巡りに影響し…
2026年6月6日 - 🌾レジスタントスターチ4分類と発酵
レジスタントスターチ(難消化性デンプン)は、小腸で消化されず大腸まで届くデンプンの総称で、構造と由来によりRS1〜RS4の4タイプに分類される。RS1は物理的に閉じ込められたデンプン、RS2は未消化の…
2026年6月6日 - 🌿腸内細菌が作るGABAと腸‑脳の対話(Braga 2024総説)
GABAは脳で『落ち着き』に関わる抑制性の神経伝達物質だが、乳酸菌など一部の腸内細菌や発酵食品も作る。Braga 2024の総説は、GABAを腸‑脳軸をつなぐ『ポストバイオティクス(菌が作る成分)』と…
2026年6月6日 - 🧠食事・ストレス・心の健康のつながり(Bremner 2020レビュー)
西洋型の食事(高糖・高脂肪・超加工)は心の不調と関連し、全粒・野菜中心の食事はより良い指標と関連するという観察を、Bremner 2020のレビューが整理している。腸内細菌と炎症が両者をつなぐ媒介とし…
2026年6月6日 - 🫁食物繊維と「腸‑肺軸」 — 腸内細菌が肺を守る可能性(Budden 2024)
食物繊維(複雑炭水化物)を多く含む食事が、腸内細菌叢を介してCOPD(慢性閉塞性肺疾患)モデルの肺炎症を抑える方向に働いた(Budden et al. 2024, Gut)。糞便微生物移植で保護が移行…
2026年6月6日 - 🛡️定着抵抗性を1菌で取り戻す研究
Buffie ら(2015, Nature)は、抗菌薬で乱れた腸内細菌叢のどの菌がC. difficileの定着を防ぐのかを統計と動物実験で特定した研究。健康な腸ではClostridium scind…
2026年6月6日 - 📄論文紹介: Chambers 2015 — プロピオン酸を大腸に届け食欲を抑える
Chambers らは、プロピオン酸を大腸まで標的送達するイヌリン・プロピオン酸エステル(IPE)を開発しヒトで検証した。急性投与では満腹ホルモンPYYとGLP-1の分泌が増え、その後の摂食量が減少。…
2026年6月6日 - 🧓高齢者の腸内細菌は住環境と食事で決まる
アイルランドの高齢者178人の腸内細菌を解析したNature誌の古典的研究(Claesson et al. 2012, ELDERMET)。腸内細菌の構成は『住む場所』と『食事の多様性』で大きく分かれ…
2026年6月6日 - 💧胆汁酸と腸内細菌の対話 — 脂を超えた signal 分子(Collins 2023)
胆汁酸は肝臓がコレステロールから作る『脂の乳化剤』だが、腸内細菌がそれを作り変え(脱抱合・二次胆汁酸化)、その産物が受容体を介して代謝や免疫を調整するシグナル分子として働く。胆汁酸が菌叢を形づくり、菌…
2026年6月6日 - 🥦食事と栄養素が腸内細菌を形づくる仕組み(Dahl 2020総説)
食物繊維は短鎖脂肪酸を作る菌を増やし、高タンパク・高脂肪は別の菌構成へ傾け、一部の食品添加物(乳化剤・人工甘味料)は菌叢を乱しうる——栄養素ごとに腸内細菌への効き方が違うことを、Dahl 2020の総…
2026年6月6日 - 🍼母乳と乳児の腸内細菌 — 免疫を育てる最初の生態系(Davis 2022)
母乳には、ヒトには消化できず乳児の腸内細菌(特にビフィズス菌)の餌になる母乳オリゴ糖(HMO)や、微生物・抗体が含まれる。これらが乳児の腸内細菌叢の立ち上げと免疫の発達に関わると、Davis 2022…
2026年6月6日 - 🫛スペルミジンと腸内細菌が支える「自食作用」(Eisenberg 2016)
天然のポリアミンであるスペルミジンを経口で与えると、マウスの寿命が延び、加齢に伴う心機能の低下が抑えられたとする研究(Eisenberg et al. 2016, Nature Medicine)。効…
2026年6月6日 - 🥗ヴィーガン・ベジ・雑食で腸内細菌はどう違うか(Fackelmann 2025)
米英伊の21,561人を解析し、ヴィーガン・ベジタリアン・雑食の各食事パターンに固有の腸内細菌シグネチャがあることを示した(Fackelmann et al. 2025, Nature Microbi…
2026年6月6日 - 👶母から子へ受け継がれる腸内細菌の本体
新生児の腸内細菌叢は出生時に大量の微生物が流入し、その後数日で強い選択がかかると報告されている。Ferretti 2018(Cell Host & Microbe)は25組の母子を出生から4ヶ月まで複…
2026年6月6日 - 🧬最も遺伝に左右される腸内細菌の正体
腸内細菌の組成は食事や環境で決まると思われがちだが、2014年のCell論文は『遺伝の影響を最も強く受ける菌』が存在することを双子研究で示した。その筆頭がChristensenellaceaeという科…
2026年6月6日 - 🧫ポストバイオティクスとは何か — 症状と腸内細菌を見たRCT(Guo 2024)
ポストバイオティクスは「生きていない微生物やその成分で健康に資する調製物」(ISAPP 2021)。慢性的な下痢のある若年成人を対象に、ポストバイオティクスをプラセボと比較した二重盲検クロスオーバーR…
2026年6月6日 - 🕒論文紹介: 体内時計と腸内細菌が食事に同期する
宿主の分子時計と腸内細菌叢はどちらも約24時間の日周リズムを持つ。両者は食事の内容と摂取タイミング、そして光環境を介して互いに同期し、神経・代謝・脂肪蓄積・炎症を協調的に調節するとされる。このリズムが…
2026年6月6日 - 🧅低FODMAP食が腸内環境を変える
FODMAPは小腸で吸収されにくく大腸の細菌に発酵される糖類の総称で、過敏性腸症候群(IBS)の症状を和らげる目的で一時的に制限されることがある。HalmosらはGut誌のクロスオーバー試験で、低FO…
2026年6月6日 - ⏳腸内細菌と長寿の関係を「因果」で探る(He 2022 MR研究)
遺伝情報を「天然の無作為化」として使うメンデルランダム化(MR)で、特定の腸内細菌と長寿の因果的な関連を検討した(He et al. 2022, BMC Microbiology)。一部の細菌群が長寿…
2026年6月6日 - 🍙海苔を分解する日本人の腸内細菌
海洋細菌のもつ海藻多糖ポルフィランの分解酵素(ポルフィラナーゼ)が、日本人の腸内細菌Bacteroides plebeiusに見つかった。これは海苔に付着した海洋細菌から腸内細菌への水平遺伝子伝播で獲…
2026年6月6日 - 🌈食の多様性が腸内細菌の多様性を支える
Heiman & Greenway (2016) は、健康な消化管ほど腸内細菌の種の豊かさ(richness)が高く、多くの疾患では多様性が下がることを整理した総説である。彼らは『食事の選択が各菌種の…
2026年6月6日 - 🗺️ヒトマイクロバイオームの地図 — HMP 2012
ヒトマイクロバイオームプロジェクト(HMP)は、健康な成人242名から全身の多数の部位を採取し、16S rRNA解析とショットガンメタゲノム解析で『健康な人の常在菌の地図』を初めて大規模に描いた。最大…
2026年6月6日 - 🍵論文紹介: プーアル茶テアブラウニンと胆汁酸
プーアル茶は微生物発酵を経た後発酵茶で、その主要色素テアブラウニンが約半分を占める。Huangらはこのテアブラウニンが腸内の胆汁酸加水分解酵素(BSH)を持つ細菌を減らし、抱合型胆汁酸を増やすことを示…
2026年6月6日 - 🍇エラグ酸→ウロリチンを作る菌が判明
ザクロ・クルミ・ベリーに含まれるエラグ酸は、そのままでは健康関連分子になりません。腸内細菌が段階的に変換して初めて『ウロリチン』という代謝物が生まれます。Iglesias-Aguirre ら2023は…
2026年6月6日 - 🌍微生物を食べる — 人と地球の健康をつなぐ食(Jahn 2023)
発酵食品、微生物タンパク(菌体由来のタンパク質)、精密発酵などの『微生物食品』は、ヒトの栄養・腸の健康と、地球環境の持続可能性の双方に資する可能性がある(Jahn et al. 2023, Cell)…
2026年6月6日 - 🌾β-グルカンと腸内細菌とコレステロール
大麦・オーツ麦に多い水溶性食物繊維β-グルカンは、腸内で粘性のあるゲルを作り胆汁酸の再吸収を妨げる。失われた胆汁酸を補うため肝臓が血中コレステロールを材料に新しい胆汁酸を作るため、結果として血中LDL…
2026年6月6日 - 🧬LGGが腸に「つかまる」仕組み
Kankainenら(2009, PNAS)は、世界で最も研究されたプロバイオ株Lactobacillus rhamnosus GG(LGG)のゲノムを解読し、近縁株LC705との比較から、LGGだけ…
2026年6月6日 - 🌾酪酸菌ロゼブリアと食物繊維の協働
腸内の代表的な酪酸産生菌Roseburia intestinalisは、食物繊維(植物多糖)があって初めて酪酸を多くつくり、宿主の代謝と炎症に影響する。Kasaharaら(2018, Nature M…
2026年6月6日 - 🛡️短鎖脂肪酸が免疫を統御する — Kim 2021
Chang H. Kimによる単著総説(Cell Mol Immunol 2021)が、腸内細菌由来の短鎖脂肪酸(SCFA)がどうリンパ球を制御するかを体系化。酢酸・プロピオン酸・酪酸はHDAC(ヒス…
2026年6月6日 - 🤰妊娠で腸内細菌叢はどう変わるか
妊娠初期から後期にかけて、母体の腸内細菌叢は個人内の多様性(α多様性)が低下し、個人間のばらつき(β多様性)はむしろ拡大すると報告されている。ProteobacteriaやActinobacteria…
2026年6月6日 - 🌾Prevotellaと大麦繊維で血糖が変わる人
Kovatcheva-Datchary らは、大麦全粒パンで食後血糖が改善する人(responder)としにくい人(non-responder)の腸内細菌を比較し、改善した人ほど Prevotella…
2026年6月6日 - 🦷口の細菌は腸へ流れる — 口腔‑腸マイクロバイオーム軸(Kunath 2024)
口腔は消化管の入口であり、その細菌の一部は飲み込まれて腸へ移行しうる。通常は胃酸などが関門になるが、口腔の健康や腸のバリアが乱れると、口腔細菌が腸に定着し腸内環境に影響しうる——この口腔‑腸軸をKun…
2026年6月6日 - 🥦腸内細菌がブロッコリーを活性化する
ブロッコリーなどアブラナ科野菜に豊富なグルコシノレートは、そのままでは不活性な「前駆体」で、活性型イソチオシアネート(スルフォラファンなど)に変換されて初めて働くとされる。野菜を加熱すると植物側の変換…
2026年6月6日 - 🍶酒に弱い腸 — 飲酒と腸内細菌(Llopis 2016)
Llopis ら(Gut 2016)は、アルコールを飲む人でも肝臓を壊す人と壊さない人がいる『個人差』に、腸内細菌が関わっている可能性を示した。重症アルコール性肝炎の患者の便を無菌マウスに移植すると、…
2026年6月6日 - 🌱健康な腸内細菌叢とは何か — Lloyd-Price 2016
Lloyd-Price らは、健康な腸内細菌叢を『理想的な菌種リスト』として定義するのはもはや現実的でないと述べる。代わりに、誰が担うかは人によって違っても共通して満たされる代謝機能の集合(機能的コア…
2026年6月6日 - 🫘腸-腎臓軸と尿毒症毒素 — 食を薬に(Mafra 2021)
慢性腎臓病(CKD)では尿毒症毒素が体内に溜まるが、その一部であるインドキシル硫酸やp-クレシル硫酸は、腸内細菌が食事タンパク質(トリプトファン・チロシン等)を分解して作る代謝物だとされる。Natur…
2026年6月6日 - 🧫腸内細菌がビタミンを作り分け合う(Magnúsdóttir 2015)
私たちが食事から摂るビタミンB群やビタミンKの一部は、腸内細菌も作っている。256種の腸内細菌ゲノムを調べた研究では、8種のB群ビタミンそれぞれを合成できる菌は全体の約40〜65%にとどまり、作れない…
2026年6月6日 - ✨腸と肌はつながっている — 腸‑皮膚軸の科学(Mahmud 2022)
腸内細菌叢の乱れが、ニキビ・アトピー性皮膚炎・乾癬などの肌の状態と関連するという「腸‑皮膚軸」の研究をMahmud 2022の総説(Gut Microbes)が整理。免疫・炎症・短鎖脂肪酸・腸バリアが…
2026年6月6日 - 🌾食物繊維はどう発酵されるのか
食物繊維の働きは『水溶性か不溶性か』より『腸内細菌に発酵されるか(発酵性)』で決まる。MakkiらはCell Host & Microbeの総説で、繊維の化学構造の多様性が腸内細菌の分業を生み、酪酸な…
2026年6月6日 - 🧬腸内細菌が食物繊維を分解する仕組み(Martens 2009)
ヒト腸内で優勢なBacteroides属は、食事・宿主・他菌由来の複雑な多糖(食物繊維など)を分解するため、専用の遺伝子セット「多糖利用遺伝子座(PUL)」を多数ゲノムに備える。そのモデルがデンプン利…
2026年6月6日 - 😴睡眠と体内時計と腸内細菌 — 巡る24時間のリズム(Matenchuk 2020)
腸内細菌叢は1日の中で組成や活動が変動する『日内リズム』を持つ。睡眠不足や交代勤務・時差ぼけなど体内時計の乱れは、この変動を崩しうる。逆に腸内細菌の代謝物が睡眠に関わる可能性も。睡眠・概日リズムと腸内…
2026年6月6日 - 🧬腸内細菌の分子が炎症を抑える — PSA 2008
Mazmanian、Round、Kasper の3氏は、ヒト腸内共生菌 Bacteroides fragilis が作る単一の多糖『多糖A(Polysaccharide A, PSA)』が、腸の炎症を…
2026年6月6日 - 🧬株が違えば効果も違う—株特異性の実証
McFarldら(2018)は1970〜2017年の臨床試験を集約し、プロバイオティクスの効果が『菌株ごと』『疾患ごと』に大きく異なることをメタ解析で示した。同じ菌種でも株が違えば結果が分かれ、ある株…
2026年6月6日 - 🫒地中海食は腸内細菌を変える — カロリーと無関係に(Meslier 2020)
過体重・肥満の82名に8週間、カロリーを変えずに地中海食を実施。順守度が高い人ほど血中コレステロールが下がり、食物繊維を分解する菌と関連代謝物が増えた。痩せる前から「食の質」だけで腸と代謝が動くことを…
2026年6月6日 - 🍚レジスタントスターチと脂肪肝 — 腸内細菌を介した肝臓の脂肪減少(Ni 2023)
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者に、難消化性のレジスタントスターチ(RS)を1日40g・4ヶ月足したRCT。肝臓の中性脂肪が対照より大きく減少し、体重変化とは独立していた。効果には腸内細…
2026年6月6日 - 🩸鉄をめぐる腸内細菌との協調と競合(Noordine 2024)
鉄は宿主にも腸内細菌にも必須のミネラルで、両者は鉄をめぐって駆け引きする。Noordine 2024(Gut Microbes)は無菌マウスとの比較で、食事の鉄が豊富なとき菌は宿主の鉄貯蔵(フェリチン…
2026年6月6日 - 🌀腸内細菌が腸の運動を整える(Obata 2020)
便を先へ運ぶ腸の蠕動運動は、腸内細菌が腸壁の神経を整えることで保たれる。Obata 2020(Nature)は、腸管神経細胞に発現するAHR(芳香族炭化水素受容体)が、腸内の微生物由来シグナルを感知す…
2026年6月6日 - 💊抗菌薬後の腸はどう戻るか
Palleja ら(2018, Nature Microbiology)は、健康な成人男性12名に最終手段クラスの抗菌薬3剤(メロペネム・ゲンタマイシン・バンコマイシン)を4日間投与し、その後180日…
2026年6月6日 - 🌱シンバイオティクスの大規模試験(Panigrahi 2017)
シンバイオティクスとは「生きた微生物と、それを選択的に利用する基質を組み合わせたもの」と定義される(ISAPP 2020)。Panigrahi 2017はインド農村部の新生児4556人を対象に、乳酸菌…
2026年6月6日 - ⚠️発酵食品を安全に楽しむ — 汚染物質と管理の科学(Pop 2024総説)
発酵食品は腸に良い面がある一方、管理を誤るとヒスタミンなどのバイオジェニックアミン、カビ毒、有害菌が生じうる。Pop 2024の総説は、これらのリスクと、適切な菌・温度・衛生管理でリスクを抑える方法を…
2026年6月6日 - 🧬2型糖尿病と腸内細菌のメタゲノム
2012年にNature誌で発表されたQinらの研究は、中国人345名を対象としたメタゲノムワイド関連解析(MGWAS)で、2型糖尿病に関連する約6万個の遺伝子マーカーを同定した。糖尿病者では酪酸を作…
2026年6月6日 - 🔬16Sとショットガンの違い(Quince 2017)
腸内細菌叢を調べる主な手法は二つある。16S rRNA遺伝子解析は細菌だけが持つ特定領域を読み「だれがどれくらいいるか」を安価に推定するが、種・株レベルや機能の解像度は限られる。ショットガンメタゲノミ…
2026年6月6日 - 📊同じ食事でも血糖反応は人それぞれ — 腸内細菌で個別化する食(Rein 2022)
同じ食品でも食後血糖の上がり方は人によって大きく異なる。腸内細菌を含む個人データから血糖応答を予測し、個別最適化した食事(PPT食)を設計するアルゴリズムを、新規2型糖尿病の小規模RCTで検証した(R…
2026年6月6日 - 📉繊維はなぜ足りないのか
現代人の食物繊維摂取は、疫学的に示された望ましい水準を慢性的に下回っている。ReynoldsらはLancet(2019)で185の前向き研究と58の臨床試験を統合し、総死亡・心疾患・2型糖尿病・大腸が…
2026年6月6日 - 🍄腸の真菌叢 — もう一つの住人、マイコバイオーム(2019総説)
腸内の住人は細菌だけではない。カビや酵母といった真菌の集まり「マイコバイオーム」も常在し、量は微量でも宿主免疫や細菌叢と相互作用する。Candida・Saccharomyces・Malasseziaな…
2026年6月6日 - 🧠なぜ腸がパーキンソン病研究で注目されるのか(Salim 2023総説)
パーキンソン病(PD)の患者では腸内細菌叢の乱れがしばしば報告され、便秘が運動症状に何年も先行する前駆症状として知られる。病理が腸から迷走神経を介して脳へ広がるという仮説(Braak仮説)もある。Sa…
2026年6月6日 - 🛡️プロバイオティクスはどこまで安全か
Sandersら(2010)は、プロバイオティクスが食品として長い安全使用の歴史を持つ一方で、安全性を主目的に設計された研究は乏しいと指摘した。生きた菌であるため、まれに菌血症や抗生物質耐性遺伝子の伝…
2026年6月6日 - 🦠プロバイオティクスの作用機序と限界
Sandersら(2019)はプロバイオティクスの作用機序を病原体排除・腸管バリア強化・代謝産物産生・免疫調節などに整理し、これらの多くが菌株ごとに異なる『株特異性』を持つと指摘した。効果は適応(疾患…
2026年6月6日 - 🔑腸内細菌がFXRのブレーキを外す(Sayin 2013)
肝臓が作る胆汁酸の一部(タウロβ-ムリコール酸など)は、受容体FXRを抑える『天然の阻害物質(アンタゴニスト)』として働く。腸内細菌はこの物質を分解して減らすことで、FXRのブレーキを外し、シグナルを…
2026年6月6日 - 🦪亜鉛と腸内細菌 — 腸のバリアを支える微量ミネラル(Scarpellini 2022)
亜鉛は腸の上皮バリアや免疫に不可欠な微量ミネラルで、腸内細菌叢の構成とも関わる。Scarpellini 2022の総説は、亜鉛不足が腸バリアや菌叢の乱れと関連し、腸内細菌も亜鉛の吸収・恒常性に影響する…
2026年6月6日 - 🏃乳酸を食べる菌と運動パフォーマンス
ボストンマラソン完走者の便を解析すると、走った後にVeillonella属が増えていた。この菌は運動で血中に増えた乳酸を腸内でプロピオン酸という短鎖脂肪酸に変換する。マウスに移植すると走行持続時間が伸…
2026年6月6日 - 🧬ビフィズス菌はなぜ乳児の腸に住むか(Sela 2008)
母乳栄養児の腸を優占するビフィズス菌Bifidobacterium longum subsp. infantisのゲノムを解読したPNAS論文(Sela et al. 2008)。約43キロ塩基の遺伝…
2026年6月6日 - 🦠腸内ウイルス叢 — ファージという見えない捕食者(2019総説)
腸内の住人は細菌や真菌だけではない。1兆を超えるウイルスが棲み、その大半は細菌に感染するバクテリオファージとされる。この「ファージオーム」は細菌叢の数や種構成を陰で左右しうる重要な調整役だが、参照デー…
2026年6月6日 - 🦠抗炎症菌F. prausnitzii — Sokol 2008
Sokol らはクローン病患者の腸内細菌を解析し、主要な酪酸産生菌 Faecalibacterium prausnitzii が患者で著しく減少していることを見出した。培養上清がNF-κB経路とIL-…
2026年6月6日 - 🌾産業化が腸内細菌を痩せさせた — Sonnenburg 2019
Sonnenburg 夫妻が Nature Reviews Microbiology 2019 にまとめたレビュー。産業化社会に暮らす人々の腸内細菌叢は、狩猟採集民や非産業化社会の人々、さらに考古学的…
2026年6月6日 - 🥜腸内細菌が食物アレルギーを防ぐ仕組み(Stefka 2014)
抗生物質で腸内細菌を乱したマウスや無菌マウスは、食物アレルゲンに感作されやすくなった。クロストリジウム属を含む細菌叢を持たせると、その感作が抑えられた。仕組みとして、クロストリジウムがIL-22を介し…
2026年6月6日 - 🫘テンペという発酵大豆の科学 — 菌が大豆を「耕す」(総説2021)
テンペは Rhizopus 属のカビで大豆を発酵させたインドネシア由来の食品。発酵によりタンパク質の消化性やミネラルの利用性が高まり、生理活性ペプチドやビタミンが生じるとされる。Ahnan-Winar…
2026年6月6日 - 🕰️腸内細菌は時を刻む — 微生物の日内リズムの分子機構(Thaiss 2014)
腸内細菌叢は組成も棲む場所も1日のなかで規則的に振動する『日内リズム』を持つ。Thaiss 2014(Cell)は、この振動が主に食事のタイミングで駆動され、宿主と微生物の双方向(界をまたぐ)制御で成…
2026年6月6日 - 🫀腸‑肝臓軸 — 漏れる腸が肝臓を炎症させる(Tilg 2022)
腸と肝臓は門脈という太い血管で直結し、腸内細菌・その代謝物・胆汁酸が双方向にやり取りしている。腸のバリアが緩むと、細菌の成分(LPSなどのPAMPs)が門脈を通って肝臓に流れ込み、炎症を煽るとされる。…
2026年6月6日 - 🔬胃バイパス後に腸内細菌叢が変わる
Tremaroliら(2015, Cell Metabolism)は、ルーワイ胃バイパス(RYGB)または垂直帯状胃形成術(VBG)を受けた女性の腸内細菌叢を術後平均約9年で調べ、肥満対照と比べて持続…
2026年6月6日 - ⚖️肥満と腸内細菌:エネルギー回収の科学
Turnbaughら(2006, Nature)は、遺伝的に肥満なマウスの腸内細菌叢でFirmicutesが増えBacteroidetesが減ることを見いだし、肥満型の細菌叢が食事から余分にエネルギー…
2026年6月6日 - 🌾食物繊維サプリと便通 — 16試験を束ねたメタ解析
成人の慢性便秘における食物繊維サプリの効果を、16のランダム化比較試験・計1251人で統合したメタ解析(van der Schoot et al. 2022, American Journal of …
2026年6月6日 - 🏃運動は腸内細菌を変える — 双方向の関係(Varghese 2024)
適度な運動は腸内細菌の多様性や、酪酸など短鎖脂肪酸を作る菌を増やす方向に関連するとされる。一方、腸内細菌もエネルギー代謝・炎症・運動パフォーマンスに影響する——運動と腸は双方向の関係にある(Vargh…
2026年6月6日 - 🩸腸内細菌が血中代謝物を作る証拠
Wikoffら(2009, PNAS)は無菌マウスと通常マウスの血液を網羅的メタボロミクスで比較し、検出された代謝物のおよそ10%が腸内細菌の有無で有意に変動することを示した。トリプトファン由来のイン…
2026年6月6日 - 🧬腸内細菌が宿主のセロトニンを作らせる(Yano 2015)
体内のセロトニン(5-HT)の大半は脳ではなく腸で作られる。Yano 2015(Cell)は無菌マウスを使い、腸内に常在する芽胞形成菌(クロストリジウム類を含む)が、腸クロム親和細胞のセロトニン合成酵…
2026年6月6日 - 🌾プレバイオティクスは腸内細菌をどう動かすか(Yoo 2024レビュー)
プレバイオティクスとは「宿主の微生物に選択的に利用され健康に資する基質」と定義される(ISAPP 2017)。イヌリン・FOS・GOS・レジスタントスターチなどが該当し、大腸で発酵されて短鎖脂肪酸を生…
2026年6月6日 - 💊腸内細菌が薬を作り変える(Zimmermann 2019)
口から飲んだ薬は、肝臓だけでなく腸内細菌にも作り変えられる。Zimmermann 2019(Nature)は、ヒト腸内細菌76株と経口薬271種を網羅的に組み合わせ、176種(約3分の2)が少なくとも…
2026年6月6日